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ホーム 7'' Amber & Locktender / split 7''
Amber & Locktender / split 7''
ドイツのAmberとオハイオのLocktenderによる重厚スプリット7''、2014年リリース作品。I corrupt records、Halo of fliesなど4レーベルによる共同リリース。

Amberはneorosis、ISIS、cult of luna辺りから大きく影響を受けてそうなポストメタルなバンド。そこから想像できるように、どっしりとしたミドルテンポと重厚なリフに悲壮的な旋律が乗るスタイルでありまして、クオリティもなかなかのもの。AmenRaやTesaなどのファンにもウケそう。ですが正直もう一歩と言った感じでして、何かAmberだけの唯一の武器が欲しな、と感じてしまいました。AmenRaもTesaも初期からクオリティが高く何かを感じさせる音ではありましたが、作品リリースごとに細部の細部までにこだわり抜いて深化していきそれぞれバンド独自のスタイルを形成していきましたね。そんな感じで、こういうポストメタル的なスタイルのバンドは経験と継続によって凄まじい進化を遂げる例が多々あるのでAmberにもそれを期待。

対してオハイオのLocktender。何度か過去作も入荷していてその度書いてますがMen as Treesのメンバーにより結成されたバンド。彫刻家、小説家、画家等様々な芸術家の一作品によるインスピレーションによってアルバムごとのテーマを作り、楽曲、作詞もそのインスピレーションに沿って行うという手法を取っているバンドでして、アルバムタイトルも「Kafka」だったり「Rodin」だったりな具合。今回の作品はハーマンメルヴィル(「白鯨」とかで有名な人ね)の短編集、その冒頭作品である「the piazza」からインスピレーションを受けて作成されたとのこと。俺は読んだことないのですが大まかなあらすじを調べてみると、おかしな夢想男が家の窓から見える山に謎の光を見つけ、「あれは妖精の女王の住処か?」と興味を駆られ幻想的冒険を繰り広げつつ最後は幻滅し戻ってくる、という寓話のようです。厭世的な作風を持つメルヴィルの作品ということで、きっと表層的に見えるよりもずっと悲観的な内容なのだろうなと妄想を広げつつ、さてその作品に影響を受けたLocktenderの楽曲は如何に。
美しくもどこか物憂れ気な気怠さを感じさせるコード感、静と動を大きく行き来する激情展開などを大得意とするLocktender節は今作でも炸裂。そのしゃがれまくったボーカルや大げさすぎる楽曲展開による異形感も相変わらずなんだけど、やはりそこがとてもステキ。凡百ではないです。なんと言うのかなー、この白昼夢感、フワっとしたかんじ。でも浮遊感は無い感じ。前述の少しおかしな幻想的世界観への理解も相まれば、このLocktender節もさらに深みを増すものとなりましょう。…ま、メルヴィルのやつ読んだことないんだけどさ!

ということで、Amberの将来性に期待しつつ、Locktenderの個性爆発なスプリットといったところでしょうか。bandcampなどのダウンロード購入限定でAmberのボーナストラックも付く仕様。こちらNYPなので興味のある方はそちらの方も是非チェックしてみてください。
両バンドとも1曲づつ収録。






・ 型番
ZBR 006 (zegema beach records)
・ 販売価格

850円(内税)

・ 購入数