マレーシアのエモバイオレンスバンド、Daighilaのフルレングスアルバムがついに登場。老舗Cactus Recordsからのリリース。これ以前に発表したのは確か2015年の来日記念コンピの1曲だった気がするので新作音源としては実に7年とかぶりってことになるのかな?びっくり。よくぞまあ新作をこんな完璧な形でリリースしてくれてほんとありがとうございますといった感じです。Daighilaは2006年くらいから活動しているはずなのでキャリア的にはもう18年とかそんなになるはずなんだけど、ここにきてバンド名をアルバムタイトルと冠するのも理解できるほどの最高傑作が誕生しました。
バンドの代表的な作品「transitions」(編集盤だけどね)の系譜をさらに推し進めた方向性の今作、緻密な楽曲の展開やダークな世界観は維持したままさらに深淵に突っ込んだ印象。グラインドやクラスト、スラッジ、ポストロックなどの影響も相変わらず多分に見て取れるんだけどそれらを違和感なく、むしろ完璧に調理して完璧なDaighila味にして表現しているのがめちゃくちゃすごい。こういった激情やカオティックなバンドでは多様しがちなストップ&ゴーや変拍子の挿入、大げさな落とし方なんかもちゃんと来てほしい気持ち良いちょうど良いところにちょうど良いだけの数をバチッと入れてくるのも楽曲制作が上手すぎる。めんどくさい事してるんだけどめんどくさく聴こえさせない凄さというか。一発で記憶に残るような必殺のリフ力も凄くて、特に2曲目「Gandasuli」は1聴しただけで脳に刻まれるほどの印象的でグッドなリフの応酬が素晴らしい。こんな必殺のリフもし俺が思いついたら使いまわして何曲かに分けてるよ、必殺過ぎてもったいないから。大盤振る舞い過ぎる。そんなのが全編で展開されます。やばいよこのアルバム。
とまあ、どこからどう聴いてもDaighilaでしかないDaighila式エモバイオレンスはついにここに完成を見た!って感じです。素晴らしい。このクオリティとかここにきてのセルフタイトルとか、なんかフリが効きすぎてて最終回最後の力を振り絞っての捨て身の超全力っぽくもう余力ないんじゃないの?フラグか?解散とかせんよね?って若干不安になってしまうくらい。絶対にまたライブが観たい…全8曲収録。
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