killieのidoさんやjohhan、CxPxSのメンバーによって構成された3ピースバンド、その名も「老人の仕事」。ネット上ではまことしやかにその存在が語られていてずっと気になっていたのですが、先日やっとこライブを拝見しその実像を確認できた次第。結果「これは何かとんでもないものを観てしまった…」と…。その全貌や如何に。
まず前提として曲や演奏が素晴らしいのはもちろんなんだけど、そこに付随して特筆すべきなのはその徹底して作りこまれた世界観よ。ライブではメンバー全員が顔まで覆い隠すようローブよろしく全身にボロ布切れを羽織り、身体にはまるで鳥避けのようにCDの束が括り付けられている。パッと見のイメージはまさにsleepのdopesmokerのジャケのアレ(再発の方の)。この時点でかなりドープ。その集団全員がまるで仏教音楽の声明のようなボーカル?ワークを始めたかと思えば、次の瞬間鳴り響くチリチリと重いダウンチューニングギターリフ。一打一打フルパワーで鳴らされる最早スラッジ寄りの重い音の塊に身体を揺り動かされること必至ながら、かと思えば要所要所で差し込まれるある意味キャッチーでとっつきやすい単音リフやその展開に意識を引き戻される、の繰り返し。まるでアリ地獄。シンプルな鈍重リフ地獄で責めるタイプではなく展開も相当練られていてフックが効いているので長尺の曲でもまるで飽きが来ない。音源の方ではそこに加えてフルート?(フレーズのせいで尺八のようにも聞こえるが…?)の音色も大々的にフィーチャーされていて、前述の仏教声明のようなものも加わり和の要素がふんだんに取り込まれている。俺個人は安易に和の要素取り入れたバンドとかちょっと苦手人間なんだけど、ここまで徹底されてたら違和感をまるで感じず受け入れられる。ヤバい。そしてMCでさらっと発表される新たな事実。
「老人の仕事は未来から来たバンドです…」え〜〜〜〜〜〜っ!?!?!?
…この妖しすぎる魅力に抗える漢など存在するのだろうか。
てかマジすげえよこの世界観、妄想止まんない。ロマンの塊。俺の中では、終末のラッパが鳴り響き黙示録の日を迎えほぼ全てのものが砂と化した近未来のトーキョーでなおもしぶとく生き残りレジスタンスを結成した歴戦の元僧兵老人たちが抵抗の音を鳴らし続けている、ってとこまで勝手に保管されてますわ。女神転生2っすわ。サイバーパンクっすわ。聴きながらメガテン2やりなおしたいと思ったけど終盤のカテドラルが地獄過ぎるの思い出して躊躇。はよリメイクしてくれ。ついでに3も。
ということで超良質のストーナードゥームバンド、老人の仕事の音源です。その他ジャケやバンドロゴなどあらゆるところが妥協無く完璧に作りこまれていて「バンドやるならここまでやらなアカン!」と、ガツンとやられた思い。これには本当にマイッタ、凄すぎる。曲単体でもトラック1「霊峰を望む」終盤の展開とか真のドゥーム愛を感じるし笑えるほど凄い。是非に。
全3曲収録。
killieのidoさんのギターワークのファンもマスト。
SOLD OUT
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