イタリアの生んだ怪物、gerda様の4thアルバムもやっとこさの入荷です。遅くなりました。作品出すたびに「まだ活動してたの！？」と驚かれてるバンドなイメージがだいぶ定着してきたように見受けられますが、私もこのリリースのときにそう思いました。まだやってたの！？嬉しい！今作もwallace recordsやshove records等による共同リリース。

前作であるdead like meとのスプリットでは奇怪ながら中毒性抜群の反復性を生かした怪物のような曲を披露していて、果たしてそこからどのように進化するのかを期待していたのですが、今回はやはりそのスタイルをさらにさらに推し進めた形となりました。gerdaの楽曲としてはストイックの極身というまでも無駄を削り落とし、いよいよ行き着くところまで行ってしまった感がありますね。この肉体的な音ながらも感情を感じさせない無機質さは何なんだろう？悪夢にそのまま入り込んだような、言葉の通じない怪物にじわじわと追い込まれるような、本能にある恐怖の部分を直接抉り出されているような、そんな奇妙な感覚に襲われます。それらがさらにシンプルさを増した反復性によって得られる酩酊感と一体になって襲ってくる中毒性、最高にン゛キ゛モ゛チ゛イ゛イ゛イ゛イ゛イ゛！！て感じ。これは、ストイックなリズム隊によって完璧に構成される秩序的な面と、無軌道に暴走する(かのように見える)ギターとボーカルによる混沌性の2面性、その対比があまりにもアレ過ぎて感じるものなのかなー、とか思ったり。いや、そうでもないな。リズム隊が一番狂ってるわコレ。
それでも、このアルバムの中では異質なほどに疾走してる楽曲「Night and fog in Vallesina」を中盤に持ってきて解放感を与えてくるところを見るに、コレ相当楽曲順にも狙いを感じるんすよね。やっぱりこのバンドはそんな知性と野生の入り混じった感が絶妙。凄いよコレ。

ということで、最早似たバンドなんか一切上げられないほど孤高の存在なアルバムになっていますが、しいて言うならgerda自身の3rdアルバム、前作スプリットで最高にキてしまった方などは間違いなく「買い」な一枚です。最高に狂気的な7曲収録。今作ではダウンロードクーポンも同内容CDも付属していないので注意！孤高ですわ〜。