オハイオはmen as treeのメンバーによって構成されたlocktenderによる待望のフルアルバム。このジャケットは一体どういうアレなんでしょうか。よく分からないけどムズムズきますな。インナーもこんな感じなんだけど、これがまたムズムズ指数マックス。特にタランチュラとかの虫なのに毛がモフモフしてる感じが生理的に無理人はご注意。俺はモロにゾワワーでした。どうでもいいか。

過去作もいくつか入荷してきたlocktenderなんですが、楽曲が「何かしら」に影響を受けて制作されていることを常々公言していました。さて今作は、あの「変身」で有名なフランツ・カフカが1917年の療養中に書いたアフォリズム(格言)風短文集から受けたインスピレーションによって制作されたそうです。その結果が、この何処までも骨太で力強く、それでいて悲哀と美しさを併せ持つ生命エネルギーの塊のような詞と楽曲なんでしょうかね。胸をモゾモゾさせる甘酸っぱさや寂しさを内包しながらも、最終的には光に繋がるような音と詞が大好きです。なんというか、「救い」があるんだよなー。すげえ臭い言い方すると、現実と真摯に向き合いながら、傷ついても傷ついても、それでも明日への活力をくれる、みたいな。そんなアルバム。こいつらに関してはもう小難しいことはいいでしょう。ステキです、の一言。
音は似て非なるが、俺はon the might of princes、I hate myself、mineral、envyなどなどでも似た感情を覚えます。そんな感性の持ち主にはもうこれ文句なしにオススメ。全5曲収録。