クロアチアのバンド、MALIŠA BAHATの編集盤カセットテープです。2016年にリリースしていた1stEP初め、その他スプリット作の曲も詰め込んだシロモノ。saetiaのカバーとかも入ってるんだけどこれもどこかでリリースとして披露してたのかな?それともこの編集盤の為に録音したのかな?分からん。
saetiaのカバーやるくらいだから根本に激情的な要素があるのは当然として、聴く限りでは他にもshai huludやlove is red辺りの叙情ニュースクール感やekkaiaのようなネオクラスト感も伺える。んだけど、その混ざり具合がどうにも異質。バリバリ絶叫しまくるボーカルにベースは重過ぎず、ギターは悲壮感ある泣きメロディを演出しドラムは疾走感に溢れシンプルにハードコアな要素モリモリで熱血!て感じなんだけど全体、その裏側から感じ取れる要素はめちゃくちゃ重苦しく、そして冷たい感触。怨念感、とでも言う感じだろうか?個人的にはこの辺は日本のバンドに近いものを感じるんだよなあ。もう解散してしまったけど、姫路のsekienなんか聴いたときもちょっと近いものを感じたの思い出しました。いや、音自体は近くないんだけどね。独自に進化を遂げて異質な何かスゴイものになってしまった感は近いものあるんじゃないかと思います。この編集盤の中では特にラスト3曲の激情バンドとしての曲の構成美、怨念感、悲壮感は特筆するものがありますね。「kids」てタイトルの曲でなんでここまで怒りや悲哀、怨念を感じるんだ…これはなかなかおっかない事を歌っているに違いない…いや歌詞カード付いてないから何歌ってるのかは分からないけど…
クロアチアのバンドって他に思いつかなくて、まあ東欧ってことで無理やり括るとこの辺のバンドはほんと独自の進化してることが多くて面白い。成熟しきってなくて音的に拙さや歪さがあったりするけどそこが味になっているのももう周知の事実ですよね。よね?単純にあまり触れたことない文化の国だからってのもあるんだろうけど、特にこの色んなことを制限されているコロナ禍の中ではそういう事を特に強く感じます。知らないことを知るのは面白い。行ったことないところに行くのはワクワクする。初めて聴く音源はドキドキする。おそらく日本では殆ど知られていないであろうMALIŠA BAHATのこの音源を初めて聴いた人がどんな風に感じるのか、楽しみです。
全12曲収録、特殊なマーブル加工仕様のテープもクソ綺麗だから是非手にとって見て欲しいです。
※ダウンロードコードは付属しておりません。