カルフォルニア州のエモバイオレンスバンド、nuvolascuraの1stフルレングスです。既に2019年の名盤として高い評価を受けているこの作品、噂に違わぬ内容に度肝抜かれました。特に私と同じような00年代エモバイオレンスにずっと心酔している人種には色々と思うところがあるはず。
元々はVrilという名前で活動していたバンドで、Vril自体は確か数年前元bluefriendのショウくんに「すげーかっこいいバンドいるよ」って教えてもらったんだよね。そちらはそちらでめちゃくちゃかっこよくて、音的にはLoma PrietaのI.V.辺りの影響アリアリでストレートながら暴力的なカオティックエモバイオレンスって感じで。ただでさえクソカッコよかったのにnuvolascura改名後のこのアルバムではそのスタイルをさらにアップデートしていてビビりまくり。
基本的には前述のスタイルを踏襲しているものの、演奏面がさらにタイトになり表現力は劇的に向上しています。新メンバーとか入ったのかな?その上で、変にキレイキレイした音になったわけではなく、むしろいい具合での音の荒さも残っているのが抜群に良い。激情由来のメロ感にオカズ入れまくり爆速ドラムで畳み掛ける短尺エモバイオレンススタイルは数多くいますが、このバンドのバランス感覚は頭一つ抜けてますね。美麗と暴力、テクニカルさと粗さ、勢いとクレバーさ、その間を実にうまく渡り歩いている印象。
I.V.までの頃のLoma PrietaやCapsule(フロリダのエモバイオレンスバンドのほう)などテクニカル美麗でありながら暴力性も持ち合わせている音が好きな方、また同じくフィメールボーカルだからってわけではないけど、新し目のエモバイオレンスバンドってことでイギリスのCassusなんかにもリンクする部分が多いにあって、そちらのファンの方には是非とも聴いていただきたいです。既に各地でソールドになっているようなので、フィジカルほしい方はお早めに!全11曲収録。ダウンロードコード付き。