Zegema Beach Records 、Middle-Man Records 、i.corrupt Recordsの3レーベルにより共同リリースされた極上エモバイオレンス4wayスプリット集。2018年リリース。
この界隈ではこういう形態でのスプリットリリースは珍しくないですが、この作品はその中でもかなりレベル高くエモバイオレンスマニア必聴の出来になっております。
先陣を切るUntold Wantはコロラド州のバンド。カオティック、パワーバイオレンス、グラインドなどの要素も強めで破壊力と突進力のある楽曲はPG99辺りを連想させる要素アリアリ。
続くOstracaは元Kilgore Troutによるエモバイオレンスバンド。激情の名門でもあるヴァージニアのバンドということで内容も極上。既に3枚ほどアルバムをリリースし日本にも結構入ってきているのでご存じの方も多いハズ。激情的悲哀コード感、直情的な演奏、ダイナミックな展開の妙こそが持ち味なバンドで、今作でも持ち味を存分に発揮した楽曲を披露。
3番手のVril。2019年に多大な評価を受けたnuvolascuraというバンドの前身バンドです。そちらのアルバムを聴いた方も納得であろう最新式エモバイオレンススタイルな楽曲を収録。
ラストのComa Regaliaはもうちょっと把握しきれないくらい音源出しまくってるバンドで、このスプリットのリリース元のMiddle-Man Records主催者が在籍しているバンドでもあります。歴の長さや経験値をも感じさせる00年代初期的臭ムンムンの、いつも通りな激渋いぶし銀激情スタイル。
個人的にはOstracaとVrilが一歩抜きん出ている印象ですね。てか好き。両者とも比較的新しいバンドではあるものの前歴からして既にかなりカッコよかったのでそのスタイルが花開く覚醒前夜的な殺気?に満ちていて、聴いてるだけで血沸き肉踊りますわ。事実この2バンドはその後の作品もさらに素晴らしく、ちゃんとした評価を受けているのが嬉しいですね。あとは、久々にこういう数バンドによるスプリット聴いたけど、なんかこういうスタイルでしか出せないエネルギーに満ちていて、うーんやっぱこのスタイルのスプリット好き。仲良しこよしスプリットとかじゃないからお互いがお互い「おおう!ぶっ殺してやんぜ!」的な気合入ってる気がするんですよ。勘違いだろうけど、でもまあ、これって10バンドくらい入ってるコンピとかともまた違う空気感ですごく良い。
Untold Want4曲、Ostraca2曲、Vril3曲、Coma Regalia3曲収録。ペールグレーに少しだけ赤が混じった様なカラービニールもカッコいい。