カナダのダークネオクラストバンドDark CirclesとカルフォルニアのAbstracterによるスプリット12''、2016年リリース。Halo Of FliesやMoment of Collapse、Shove Recordsなど5レーベルによる共同リリース(Shove Recordsまだやってたんか！)。

Dark Circlesは前作の1stアルバムも取り扱っていますが、変わらず最高のダークで叙情的なブラッケンド、ネオクラストな楽曲を収録。ブラックメタル由来の寒々しいフレーズ選びやトレモロを導入しながらも根っこはハードコアなネオクラスト具合とか相変わらず滅茶苦茶かっこいい…！ekkaiaやmadame germanなどの王道レジェンドにブラッケンド要素ぶち込んだ感じというか。今作でも基本全編ぶっ通しで爆走しまくってるんですが、特に3曲目の「isolate」でのお約束叙情爆走からのお約束落とし後半とか「分かってるなコイツラ…！」感はハンパない。メロディ感もすげー良くて、そこは激情にも通ずるものがあります。
対するAbstracterは2010年結成のバンド。既に何作か作品リリースしてて、アルバムのリリースにはVendetta Recordsなども絡んでる模様。というのも関係するのかどうなのか、音の方はレーベルメイトでもあるスラッジバンドthouを極限までブラックメタルに寄せたようなスラッジーブラッケンドサウンド。全体的にリバーブ強めで荘厳感もある中、怒号のようなボーカルや残虐ギャリギャリ弦楽器隊、ペチペチ言っちゃうミドルテンポツーバスとかがだいぶ例の空気感作ってる。というか、前作まではここまで直情的じゃなかったよね？bandcampで聴いた限り、なんと言うか、もっとアトモスフェリックな感じだったような…。ともかく、全身から殺気を放つまでになってしまった彼らが若干心配です。

ブラックメタル要素は共通しながらも、結果各々のかなり極端な楽曲が並ぶ好スプリット作品。ジャケからも読み取れるようだいぶ背徳的な仕上がりとなっております。Dark Circlesが4曲、Abstracterが2曲収録。