ミシガンのベースレスフィメールボーカルグラインドバンド、cloud ratの2枚組み編集盤。Moment of Collapse、Here And Now! Recordsの2レーベルによるリリース。タイトルどおり2010〜2015年の間にリリースされた音源が網羅されており、当ディストロで取り扱ったアルバムの曲なども完備した完全ディスコグラフィーとなっております。その曲数なんと77曲、時間にして140分以上！正直ぶっ通しで聴くのはキツイ笑
ですが、やはり世界で絶賛され大型フェスなどでも呼ばれまくるその実力はやはり本物で、その功績を余すところ無く収録したこの音源は貴重。特にスプリット作品のリリースが多いのでその辺もコンプリートしているのは嬉しい。
年代の新しい順に収録されているのでトラックが進むほど過去に遡る作りになっていて、通して聴くと、ある意味機械的とすらいえるほど理路整然とした熟成カオティックグラインド感から、直情的で他とは一線を画そうともがく青さや初期衝動感あるハードコア色強めの初期音源へと続く過去探訪が楽しい。それでも怒りとチャレンジとグラインドに塗れた全体的なカラーにはブレがなく、一貫した姿勢で活動が行われていることが見えてきて好感。

2015年リリースの「Qliphoth」以後音源での動きがなかったのでどうしたもんかと思っていましたが去年は既に3作ものスプリット作品をリリースしておりその旺盛ぶりは健在の模様。中でもDisrottedとの最新スプリット作ではもちろんグラインドの様相も存分に残しながら18分にも及ぶ長尺曲収録とかなんかヤベーこともやらかしてるんで今後も目が離せません。是非このディスコグラフィーで予習しつつcloud ratの今後にもご期待ください。