Primitive ManとNorthlessによるUS鈍重暗黒スラッジスプリット盤です。2015年リリース作。もうほんと月並みな言い方だけど、純粋な地獄。

Primitive Manは名門relapseからのリリース、来日、さらに日本では馴染み深いHexisとのスプリットなどから知名度的には既にかなりのものがあるのでは。これを書いてる今年2017年にはフルアルバムもリリースされ一部の界隈でさらに飛翔することになるであろうこと請け合いなのですが、今回ご紹介するこのスプリット作はまさにその夜明け前たりつつこの当時でしかありえなかったのであろう強烈な15分超の長尺ナンバー1曲を収録。最新アルバムでは相変わらずの地獄スラッジサウンドを展開しつつもある程度理路整然とした理性を感じさせなくもないんだけどこのスプリットでの曲はもう何と言うか、振り切れてしまっている…。どうした？何かあったの？大丈夫？と心配になってしまうほどの狂気を孕んでいて(特にボーカル)、はっきり言って怖過ぎます。それに加えて、ダウンチューニングなのか多弦なのか知らないけど、ベース弦が目の前で振動している様が聴覚越えて視覚でまで認識できそうなほどの生々しい録音、これがさらにその怖さを加速させるのに一役買っている。目の前でリアルタイムに展開される地獄そのもの。

対するNorthless、お馴染みAlex氏率いるLight Bearerとのスプリット作などをリリースしていることもあってこちらも実力派暗黒スラッジーなバンド。かと言えPrimitive Manの曲を経てから聴くと、何と言うか…これ、曲じゃん！！！！！みたいな感覚に陥る。いや、悪い意味では無くて。ザクザクっと切り刻むリフは残虐度高めながらキャッチーで、楽曲そのものも展開含め練られててかなりレベル高い。多分普段俺が好きな感じは完全にこのNorthlessの方なんだけど、インパクトと狂気という意味合いで言えばPrimitive Manに軍配が上がってしまうように感じたかな。相手がPrimitive Manでさえなければ…と言った感じ。いや、ほんと曲はすげーかっこいいんだよ。

てことで個人的には曲としてはNorthless、衝撃度の高さではPrimitive Manと言った感じの好スプリット。ゲートフォールド仕様、Primitive Man が1曲、Northlessが3曲収録。ダウンロードコード付き。