UKのthisismenotthinkingofyouとロシアのUs Pàlmによるスプリットカセットテープ入荷です。

thisismenotthinkingofyouは、同じくUKのyuri（百合）というパワーバイオレンス、エモバイオレンスなバンドでも活動しているshaun氏による一人激情プロジェクト。一人激情というとノルウェーのsnorasとか連想されますが、こちらはギターボーカルはもちろん、ドラムまで彼自身が担当(打ち込みかもしれない)して録音しているということで。ギターにもドラムにも過剰なまでにリバーブをかけて透明感、浮遊感を演出しておきながら、生々しくハウリングするギターやブラストや高速2ビートで突き進む異質のエモバイオレンスサウンド。例えばsuis la luneなどに代表されるようなメランコリックでユーロ的な音色でありながら、楽曲の勢い自体はshikariバリの突進力を持っているような異形。過去作(2015年活動開始から、既にep数枚をリリース済み)からも一貫してこのスタイルであり、暴虐で寒々しい感触を与えながらもユーロ激情特有のメランコリックさを併せ持つこの感じはなかなかありそうでなかった感ありますね。

対するはロシアのUs Pàlm。こちらも中々若いバンドでありながら高い完成度と渋みを纏った激情スタイル。去年の年末にはno omegaとの共演もこなしていたようで、そんなところから地元での評価も察することが出来ますね。楽曲自体は後期funeral diner等に影響を受けたような侘び寂びをもった暗黒美麗な激情スタイル。これまたロシアってこともあるのか無いのか、寒々しくも美しいアルペジオが非常に魅力的。録音や楽曲のクオリティー自体は申し分無しなのですが、ここからさらに何か味が付けられれば…といった感想でしょうか。

今回はまずthisismenotthinkingofyouの方を目的に入荷したのもあって、個人的にはこちらの方がかなり好みではありますが、初聴きであったUs Pàlmも中々どうして見っけものであります。こちらの作品は既にレーベルやバンド側の在庫も無いようなので、おそらく今回が最初で最後の入荷になりそう。なので欲しい方はお早めに！thisismenotthinkingofyouは過去作も凄く良いんですけどプレス枚数が極端に少ないようですぐ廃盤になってしまう模様…もったいない！もし再発とかしたら全タイトル入荷したいな。
thisismenotthinkingofyouが4曲、Us Pàlmが1曲の計5曲収録。