女性voを擁するフロリダのAutarkeiaとイギリスのMe and Goliathによるスプリット12''作品です。リリースはreact with protest、IFB records、city 17 recordsによる3レーベル共同リリース。

Ａｕｔａｒｋｅｉaは不穏な哀愁を振り撒きつつ、その拙さも魅力的な90年代激情要素過多バンド。これまでにもフルアルバムやcloud ratとのスプリットリリース、あとmeatcubeからリリースされた作品などにも楽曲を提供していたのでご存知の方もチラホラおるのではないでしょうか。叙情的なコードワークとミドルテンポを軸に展開する楽曲はまさしく90年代のそれなのですが、react with protestがリリースに絡んでると言うことからも分かるように、暗黒の空気もふんだんに纏っているのがいいですね。そして何より特徴的なのは、しゃがれ過ぎてる女性vo。生の感情剥き出し感ブリバリなこのボーカルの存在感はちょっと凄いものがあります。どこを切り取っても、このまま倒れて死んじゃってもおかしくないんじゃないか！？てくらい振り絞ってる感じが伝わってくるんですよね。

対するMe and Goliathは、意外と長くやってるバンドで、確かもう10年近くやってるんじゃないかな？おそらく前作である単独10''からのかなり久々のリリース。のはず。前作まではla quieteなどに代表されるようなメロウで軽快なユーロ激情要素強めなバンドだったのですが、久々リリースの今作ではそこにダークな叙情性と強靭なリズム感をプラスしてさらにかっこよくなった楽曲を披露。ドラマティックな曲展開も相まって、これ相当かっこいいです。ドイツのdanse macabreやスコットランドのkaddishなどのファンには特にオススメ。

どちらのバンドもある種の拙さを残していて、そういう部分の、まあ何というかマッチョになりきれないこの感じがいかにも激情といった印象でしてそんな部分が実に愛くるしいです。写真をインサートした特殊な作りのジャケットのアイデア感、手作り感もまさにって感じ。愛を感じるね。Autarkeiaが4曲、Me and Goliathが3曲収録です。