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Baton Rouge / Totem
daitroの4/5のメンバーが在籍するフランスのバンド、baton rougeの2ndアルバム入荷です。我らが日本の3LA含む世界4レーベルによる共同リリース。2012年にdaitroが解散し、図らずも遺児となったこのbaton rouge、ここに来て延長線上でもあり全くそうでもない新サウンドを提示してきましたね。前作「Fragments D'Eux-Mêmes」では当時同時進行していたdaitroでは表現不可能な、粗さや拙さまで意図的に垣間見せたであろうシンプルなバンドサウンドを展開していました。が、今作ではかなり深化したバンドサウンドを展開。派手さはごっそり抜け落ち、定型リフを繰り返しつつ静かなる展開を広げる静寂の楽曲。Godspeed You! Black Emperorなどを手掛けたエンジニアによるマスタリングということもあってサウンド面では驚くべき進歩を経たものの、深淵、ただただその印象が強くなった音となっています。

…が!!!!…正直俺は面食らってしまった!先行公開されていた3曲目、「Cours Tolstoï」には前作からの延長感、daitro後期の枯れつつある魅力を感じていたものの、蓋を開けてみればこれまでのdaitro、baton rougeとは全く別物になっとる…!と。そして、正直、これでは、俺は、飲み込めないぞコレー!と…。あのアグレッシブさと静謐の融合が大好きだったdaitro。荒さとポップ感が素敵だった前作。それらと今作は全くの別物。別に変容が嫌いなわけではないんだけど、この変わり方を俺は最初どうしても簡単に受け入れることが出来なかったの。そのこともあってこのレビューには正直ほんっとうに苦しんだ!それを打開したのが、日本語訳も記された歌詞ってわけ。

付属する3LA水谷氏によるライナーにはさらに歌詞の内容についても詳細な解説が為されていて、その助けを(大いに)得ながらも歌詞や背景について読み解いていくと、今作totemの歌詞はメンバー彼らの非常にプライベートで何気なくも人生そのものの流れすら感じ取ることのできる内容となっていることが分かる。そしてその内容は強い怒りでも哀しみでも喜びでもなく、本当に日常でふとある瞬間を切り取った「だけ」のような歌詞。曲によっては感情表現すら感じ取ることは出来ない。これってbaton rougeのメンバーがバンドとしての活動どころか、もっともっとそれぞれの普段の日常を送るうえでの物事を何もオブラートに包まずそのまま差し出したかのような、言わばセルフポートレイトのような歌詞だと感じたわけ。そういうことを理解し、その理解や感情を楽曲と紐付し、その結果感じ得たのが「眠る田舎町の静寂」のようなアルバムだといった感想。さらに付け加えれば、もう少しで陽が昇るころの地元の、ね。あの微妙な寂しさ。過ぎ去った、もう会うこともないだろう人々。そういう事を表現している、んだろうなあと勝手に解釈する事できて、そのときになって「何でこんなに苦しんでいたんだろう?」と思うほど容易くこのアルバムを消化することが出来た気がした。

なんか内容無い上に無駄に長くなったけど、こんな感じです。俺はレビューしないといけなかったからクソ程読んで聴いてやっと理解できた気になっているけど、これはこれで面白かった。視覚オンリー聴覚オンリーで楽しまないといけないものって時として背景だったりから読み解くと楽しさが分かったり、もともと好きな人はさらに理解深まったりってのあるよね。特に17世紀辺りの宗教画とかそんななんでしょ?左は悪!!とか。よく知らないけど。そんな感じ。こんなレビューだとネガティブな意見に思われるかもしれないし、特に俺はdaitroの昔の姿に囚われ過ぎていた感があるから何とも言えない部分があるのが申し訳ないんだけど、今では眠れぬ夜に思いを馳せる時の良き友のようなアルバムなんですよ。同じような想いに囚われた方は、是非その解釈を聞かせてもらえると嬉しい。全9曲収録。




・ 型番
3la-006 (LongLegsLongArms Records)
・ 販売価格

1,620円(内税)

・ 購入数