リクエストを頂いて入荷したスペイン産ダークエモクラストバンド、ictusのディスコグラフィー盤です。こいつははっきり言ってヤバイです。alpinist超えてきました(alpinistより昔のバンドだけど)。どうなってんだよスペインは…。やっぱこれ系の音出すバンドはスペイン産がどうしても抜きんでてるのかね。

さてこのictus、ex-madame germen(だよね？)だったりの玄人バンドみたいで、音的にはネオクラストと呼ばれてるバンド群の一つに数えられると思います。その例に漏れずダークでメロディアスなリフにゴリゴリのDビートで爆走してます。じゃあ何がictusはヤバいのよ？てなると、個人的にはダークでメタリックでメロディアスなリフがekkaiaとタメ張るか超えてるレベルなのと、長尺ながらドラマ性をふんだんに盛り込んでいて全く飽きさせず、むしろ最高に熱い展開がバランスよく配置された曲構成の良さがもう段違いなんです。つーか１曲目の「Los Restos De La Esfera」からしてまさにパーフェクト。2本のギターが絡む美しいアルペジオパートから幕を開けて、かっちょのよろしいDビート疾走パートや若干の落としパートを組み入れて大げさなまでに分かりやすく盛り上げたのち、今までの構成全てをフリと化すほどの爆走クライマックスへ突入する様はもう完全に大作映画1本分の濃さが詰まってるわ。これだけで1曲12分あるのに全く目が離せない！もう後半は下手なメロデスよりもメロデスしてるし。んでもって其々のパート自体は意外とシンプルで分かりやすいから聴き苦しさも無し。文句なしで100点すわ。続く2曲目は16分台あるけど、かといってその後は短めの曲も出てくるんでその辺は安心して(長尺曲をトラックだけ分けたみたいな臭いもするけど)。つーかこれは長尺苦手な人でも全然聴けると思う。驚くほどダレるとこ無いし。

詳細としては、まずokbanとのスプリット曲1曲、this thing called dyingとのスプリット曲1曲、単独作「hambrientos de un sol distinto」から6曲で全8曲収録。出た媒体で分けると曲それぞれに結構違いが多いのでその辺聴き比べるのも一興。惜しむらくは、おそらく2006年ごろまでの音源を纏めたディスコグラフィーということなので、その後リリースされたアルバム「imperivm」が未収録だということ。こちらは全1曲収録でトータル39分というガイキチアルバムながら熱さとドラマチックぷりがはるかにパワーアップしてる会心作なので、見つけ次第入荷へと動く予定です。どこにあるんだ！



例の曲、イントロのみ。
3分近くあるけど「イントロのみ」です。