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SWARRRM / こわれはじめる
chaos&grindを標榜してから20年以上の活動を経てなお変貌し続ける怪物バンド、swarrrmの最新アルバムが3LAから登場。
「偽救世主共」から入ったニワカなワタクシですが、当時その破滅的狂気的でありながらさまざまなジャンルの要素を取り込みつつ一つの形を凄まじいバランスで整えている楽曲に心酔し長らくswarrrmの最高傑作だと確信していました。「black bong」にてボーカル交代で新録された既存曲に若干の違和感を感じ面食らいつつもラスト曲でその新しい可能性を見て。「flower」でついにtsukasa氏のボーカルとswarrrmが完璧に融け合い完成された新たな境地に辿り着き、個人的にはついに偽救世主共に匹敵する傑作が生まれた!と感じていました。それから4年、ついにリリースされた新アルバム、「こわれはじめる」。

前作「flower」はtsukasa氏の"唄"と、swarrrmの基底にあるchaos&grindとを融合させた信じがたいサウンドを確立した大名盤でありました。あれははっきり言って世界的にも例を見ない、まさに日本のswarrrmだから為し得た奇跡のグラインドハードコアだと思っています。今作ではその"唄"と”詩”を更に推し進め最早歌謡グラインドとも言える新たな領域に到達しつつそこに狂気と混沌も両立させたさらに異質の変貌を遂げています。
1曲目「ここは悩む場所じゃない」からして最早一緒に歌える程にポップですらあるのに、持ち前のハードコアな凶暴性は保持しているのでこの時点でだいぶ異質。過去作と比較してもその楽曲のバラエティの豊かさは異質で、terror squadとのスプリットにも収録されていたトラック6「影」では過去のswarrrm感全開のカオティック暗黒グラインドを見せたかと思えば、トラック9「血が叫ぶ」では爽やかとすらいえる清涼エモ楽曲を披露する始末。しかしそのどれもが一聴して、あっswarrrmだと確信出来るんだからスゴイ。これはswarrrmというバンドが持っている純度の為せるワザ。さっきまでstab me in the backやってたのにsay anything流れても、あっこれXだ、て分かるみたいなレベル。いや違うか。違う?
音質、演奏は全体的にソリッドになりながらもグラインドコアとしての芯を残すためにギリギリまで削ぎ落とした感が絶妙にハマってる。何より良かったのが歌詞。日活ロマンポルノや東映ヤクザ映画のような、暴力とエロスが混在する昭和的情念渦巻くハードボイルド感を想起させる詞がswarrrmの和すら感じさせるコード感、壮絶でドラマティックな楽曲に素晴らしくマッチしていてswarrrmの世界観をより忠実に広げているような印象を受けた。愛、夢、明日など一見ポジティブに聞こえる単語も多様されるんですが、傷つき敗北し亡くしてきたからこそ吐ける渇望というか、そんな大人の哀愁や儚さが篭ってるからめちゃくちゃ刺さる構成になってて超好み。

swarrrmはグラインドを基底としつつそこから外れることを全く恐れていない、どころか敢えて外していきつつそれでもそれをグラインドコアとして成立させるバランス感覚が凄まじい。と言うか、当人らには外した感覚すらないように思える。長いバンド活動中に様々な失敗や葛藤があったことは想像に難くないけど、その年月や経験の中で”chaos&grind”という確固たる基柱を磨き、時には削ぎ落としつつも加え洗練し更新し続け、その現時点での最大の結果がこのアルバムのような気がします。「こわれはじめる」というアルバムタイトルも、例えば「ハードコアはこうあらねばならない」のような固定観念やジャンルの壁の破壊というか、さらに言えばシンプルに「そんなくだらねー壁はさっさとブッ壊しちまえよ」という、そんなダブルミーニング的なものにも聞こえてきますわ。それは穿ち過ぎ?
敢えて言うけど、こわしつづけていたswarrrmがこわしはじめた、その更なる先が今から既に楽しみになる作品。
全13曲収録。


・ 型番
3LA-023 (Long Legs Long Arms)
・ 販売価格

2,700円(内税)

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